現在地胆石は、ある場所と起きている問題で治療が変わる

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胆石は、ある場所と起きている問題で治療が変わる

胆のうに石があるだけの場合、胆のう炎を起こした場合、石が胆管へ移動した場合では、緊急性も治療も異なります。

まず押さえたいこと

  • 胆のうの石と、胆管の石では、治療の方法が異なります。

  • 胆管の石は、多くの場合、内視鏡で治療します。

  • 胆のうに石が残る場合は、再発予防のため摘出を検討します。

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このページの用語

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胆のう結石用語集へ ›
胆汁をためる胆のうの中にできた石です。症状がなければ、すぐ治療しない場合もあります。
総胆管結石用語集へ ›
胆汁の主な通り道である総胆管にある石で、黄疸や感染の原因になります。
胆管炎用語集へ ›
胆管が塞がり、胆汁に感染が起きた状態です。早い治療が必要なことがあります。
ERCP用語集へ ›
内視鏡で胆管の石を取ったり、詰まった胆汁を流したりする処置です。

胆のうの石と、総胆管の石は何が違うのですか?

胆のう=胆汁をためる袋

胆汁は肝臓で作られ、胆のうに蓄えられます。袋の中にある石が「胆のう結石」です。無症状なら、すぐに手術せず観察する場合があります。

総胆管=胆汁を腸へ運ぶ通り道

この管にある石が「総胆管結石」です。胆のうから移動することが多く、胆管内でできることもあります。胆汁が流れなくなると、黄疸や感染、膵炎の原因になります。

「痛くないから放置してよい」とは限りません

総胆管結石は、無症状でも今後の胆管炎などを防ぐため除去を検討します。ただし、処置にも危険があるため、体力や持病、石の状態を含めて判断します。

内視鏡治療の流れ / 胆のう摘出を勧める理由 / 退院後の注意点

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四つの状態を分けます

01

無症状の胆のう結石

症状がなく偶然見つかった場合、全員がすぐ手術になるわけではありません。

02

胆石発作・急性胆のう炎

右上腹部痛を繰り返す、発熱や持続痛がある場合は、炎症と手術適応を評価します。

03

総胆管結石

胆管へ移動した石は、黄疸、胆管炎、膵炎の原因になります。磁気を使って胆管を見る検査(MRI・MRCP)や超音波内視鏡(EUS)で確認することがあります。

04

急性胆管炎

感染と胆管閉塞が重なった状態です。抗菌薬だけでなく、内視鏡的胆道ドレナージが必要になることがあります。

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胆管の内視鏡処置(ERCP)を、診断だけのために行わない理由

ERCPは、内視鏡で胆管の石を取る、詰まった胆汁を流すといった治療に優れます。一方で、膵炎、出血、感染、消化管に穴があくことなどの合併症があります。石があるかまだ不確かで緊急処置が不要な場合は、まず身体に管を入れないMRCPや、超音波内視鏡(EUS)で確認することがあります。

ERCPは「胆管の治療が必要な可能性が高いとき」に価値が大きい処置です。

胆管炎などで急ぐ場合と、石があるか確かめる段階を区別します。

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総胆管結石は、どのように治療しますか?

多くは、口から十二指腸まで内視鏡を入れるERCPで治療します。お腹を切らずに行えますが、通常の胃カメラより身体への負担と合併症の危険があります。

1

石と全身状態を確認

血液検査、腹部エコー、CT、必要に応じてMRCP・EUSで石や感染を調べます。重い胆管炎では胆汁を流す処置を急ぎます。

2

胆管の出口を広げる

十二指腸にある出口を小さく切開する方法(EST)や、風船で広げる方法を、石と胆管の形に合わせて選びます。

3

石を取り出す

風船やかご状の器具で石を腸へ取り出します。大きい石や硬い石は、砕いてから取り除く場合があります。

4

残った石と次の治療を確認

石を取り切れたか、ステントが残っているか、胆のう摘出が必要かを確認します。一回で終わらない場合もあります。

石を取らず、管だけ入れるのはなぜですか?

感染が強い、全身状態が不安定、出血の危険が高い、石が取りにくい場合は、まずステントや鼻からの管で胆汁を流します。抗菌薬などで状態を整えてから石を取る、段階的な治療です。ステントを入れただけでは、石がなくなったとは限りません。

薬で溶かすことはできませんか?

胆のうの石の一部では薬による治療を検討しますが、総胆管結石の標準治療は石の除去や胆汁を流す処置です。感染や詰まりがあるときに、薬で溶けるのを待つことはできません。

通常の内視鏡治療で石を取れない場合はどうしますか?

胆管内を直接見る細い内視鏡で石を砕く方法、別の経路から胆汁を流す処置、外科手術などを検討します。胃の手術後は、胆管までの経路に合わせて内視鏡や処置の方法を選びます。これらの治療は執筆者の勤務先でも行っており、石の状態やこれまでの手術、体の状態に応じて方法を決めます。

治療にどのような危険がありますか?

膵炎、出血、感染、消化管や胆管に穴があく穿孔などが起こり得ます。重い場合は集中治療や手術が必要です。予防策を取っても危険をゼロにはできません。血液を固まりにくくする薬などは、自己判断で中止せず、処置前に必ず確認してください。

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石を取ったのに、なぜ胆のう摘出も必要なのですか?

内視鏡で胆管の石を取っても、胆のうの石は残るからです。

胆のうに石が残る方では、再び石が胆管へ移動したり、胆のう炎・胆管炎・膵炎を起こしたりすることがあります。その危険を減らすため、手術に耐えられる状態であれば胆のう摘出を勧めます。

ERCPの目的

胆管にある石を取り除き、詰まった胆汁を流すことです。

胆のう摘出の目的

石のある胆のうを取り除き、胆のうが原因となる次の発作や感染を減らすことです。

胆のうの石だけを取って、胆のうを残せませんか?

石だけを取り出しても、胆のう内にまた石ができる可能性があります。そのため、手術が必要な胆のう結石では、通常は石と一緒に胆のうを摘出します。多くはお腹の小さな傷から器具を入れる腹腔鏡手術で行います。

いつ手術を受けるのですか?

状態が許せば、同じ入院中など早い時期に相談します。軽い胆石性膵炎では同じ入院中の胆のう摘出が勧められますが、重い膵炎や強い炎症がある場合は回復を待つことがあります。年齢だけでなく、心臓・肺の状態、体力、再発と手術それぞれの危険を比べます。

胆のうを取っても生活できますか?

胆のうを取っても、肝臓では胆汁が作られ、胆管を通って腸へ流れます。多くの方は通常の食生活に戻れます。術後しばらくは脂っこい食事で下痢や不快感が出ることがあるため、少量ずつ様子を見ます。下痢が続く場合は相談してください。

誰でも摘出が必要ですか?取れば再発しませんか?

胆のうに石がない場合や、手術の負担が利益を上回る場合は個別に判断します。手術にも出血、感染、胆汁漏れ、胆管損傷などの危険があります。また、摘出後も胆管内に新しく石ができることがあり、再発を完全に防げるわけではありません。

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退院前に「残った石・管・次の予定」を確認しましょう

胆管ステントは詰まったり移動したりして、再び胆管炎を起こすことがあります。交換・抜去の時期はステントの種類と治療目的で異なります。症状がなくても、予定された受診を続けてください。

発熱・悪寒、黄疸、強い腹痛は早めに受診を

三つの症状が全部そろうのを待たないでください。意識がぼんやりする、息苦しい、冷汗が出て立てない場合は救急要請を考えてください。ERCP後の強い腹痛、吐血・黒い便も速やかな連絡が必要です。

急ぐ症状と受診の目安を見る ↗
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説明を受けるときの確認点

  1. 石は胆のう内ですか、胆管内ですか?場所によって内視鏡治療と手術の役割が変わります。
  2. 胆管炎・胆のう炎・膵炎を起こしていますか?緊急性と入院の必要性を確認します。
  3. 内視鏡処置(ERCP)の目的は、石を取ることですか、胆汁を流すことですか?一回で完了するか、流れを保つ細い筒(ステント)の交換が必要かを聞きます。
  4. 胆のう手術は必要ですか?いつ行いますか?胆管の内視鏡処置後の全体計画を確認します。
  5. 再発時に注意する症状は何ですか?痛み、発熱、黄疸の組み合わせを確認します。
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根拠資料・医学情報の確認内容を開く

国内外の診療ガイドラインと査読論文を用い、確立していることと、施設や患者さんの状態で判断が分かれることを区別して記載しています。

医学情報確認日
2026年8月23日
今回の確認内容
胆石・総胆管結石、胆管炎、ERCPの役割と注意点を確認しました。
内容・表示更新
2026年9月20日:取りにくい石や胃の手術後の治療について、実施している診療内容は残し、方法を選ぶ理由が伝わる説明に整えました。治療方針の変更ではありません。
確認体制
執筆者本人が医学情報を確認しています。外部確認を実施した場合のみ、確認者の専門領域と確認日を表示します。
情報源の選び方・更新方法・利益相反の方針を見る ↗
  1. 日本消化器病学会:患者さんとご家族のための胆石症ガイド2023 ↗石の場所による違い、内視鏡治療、胆のう摘出、術後の生活を解説。
  2. 日本消化器病学会 胆石症診療ガイドライン2021 ↗無症状の総胆管結石、内視鏡治療後の胆のう摘出、再発を含む国内指針。
  3. ASGE guideline: choledocholithiasis(2019) ↗MRCP・EUS、ERCP、胆石性膵炎、胆のう摘出、胆管ステントの役割。
  4. ESGE guideline: endoscopic management of common bile duct stones ↗総胆管結石の診断、結石除去、困難結石、胆管炎時のドレナージに関する指針。
  5. Tokyo Guidelines 2018: management bundles ↗急性胆管炎・胆のう炎の診断、重症度判定、治療の流れ。

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執筆者と情報の確認

執筆・医学情報確認丹野 誠志

消化器内科医・医学博士/イムス札幌消化器中央総合病院 院長

医学情報確認日:2026年8月23日

内容・表示更新:2026年9月20日(医学情報確認日とは区別しています)